DESIGN NOTE

寄生火山と共にする憩い

どこへ行っても違う地形と風景が広がる済州の地。その変奏を作り出すのは、それぞれ異なる360個の寄生火山かもしれない。寄生火山が好きだった宿のオーナーは、幼い頃から数多くの寄生火山を訪れる旅程の中で松堂里に出会った。済州の中で最も多くの寄生火山と向き合える松堂里。その美しい風景を盛り込むべく「songdang AZIN」は作られた。

2階建ての「songdang AZIN」では寄生火山の風景が多彩に広がっている。1階のダイニングスペースでは、寄生火山に最もダイナミックに接することができる。薄いフレームの向こうに周辺の寄生火山と共にアジン寄生火山、そして緩やかな傾斜の先に向かい合った風景が自然な形で連結される。そしてその風景に沿って2階に入ると、横長の窓を通して風景が額縁のように飾られている。3つある寝室の中でもそれぞれ異なる方向の窓から寄生火山を眺めることができる。個別の空間の特性に合わせて製作された縁台と家具は、広がる風景を背景に置き、休息にだけ集中できるよう配慮した。

アジン寄生火山は他の寄生火山とは異なり、季節ごとに色と風景が変わる。天気の良い時は牛を放牧し、休息期には穀物が育ち、時折人々が遠足に来る場所だ。 「songdang AZIN」はそんなアジンの寄生火山のような存在でありたい。中庭に位置するプールやジャグジー、バーベキュー空間から風景を眺めたり、ユーティリティ空間で多様なコンテンツを楽しむこともできる。そしてティールームでは静かに時間を過ごすこともできる。毎季節、アジンの寄生火山と共にする時間に満たされ、私たちの時間を彩ってくれるだろう。

DESCRIPTION

PROJECT SCOPE

| ブランディング、スタイリング

   Branding, Styling